赤ワイン | Red Wine | Vino Tinto

Cabernet Franc | カベルネ・フラン

カベルネ・フランは、兄分に値するカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロとブレンドしま す。これは実は少々残念なことなのです。というのも、カベルネ・フランはそれ自体で野生のイチゴやチェリーの風味を十分に有しており、シラーズよりはやや 軽めのスタイルではあるものの、暖かい日に飲むのにぴったりのワインを造るからです。

 

Cabernet Sauvignon | カベルネ・ソーヴィニヨン

一般的に黒ブドウの中で最も気品が高いとして知られているカベルネ・ソーヴィニヨン。旧世界で築かれた誇り高い一流のステータスに由来しているのでしょう。

オーストラリアでは、冷涼地帯もしくは冷涼と温暖の中間地帯において、カベルネ・ソーヴィニヨンに期待される、ブラックカラントの風味が濃厚なフルボディ のワインが造られています。ミントの香りが色濃く現れるのはクナワラとマーガレット・リヴァーのもので、特にマーガレット・リヴァーではメルロとの素晴し いブレンドも造られています。

ビクトリア州のヤラ・ヴァレーもカベルネ・ソーヴィニヨンの産地としてよく知られ、ここでは果実の風味が前面に引き出された上品なワインが造られていま す。南オーストラリア州のマクラレン・ヴェイル、ニュー・サウス・ウェールズ州のマジーにおいても、ブラックカラントとベリーの特徴にかすかなチョコの香 りが加わったワインが造られています。すべてのワインは芳醇でしっかりとした骨格を有しているので瓶熟成が期待できます。セラーに1-2年保存することを お勧めします。

 

Grenache | グルナッシュ

これもローヌ・ヴァレーの黒ブドウ品種ですが、シラーズと同様、オーストラリアの風土に非常に適しています。

シラーズのように長い間、その価値はあまり認識されず、主にジューシーなロゼや強烈な酒精強化ワイン用として利用されてきました。150年前に植えられた 古い木が見つかったこともあって、ブドウ栽培者はこの品種が最も甘美なチェリーやラズベリー風味のワインを造り出すことに気づきました。甘い完熟した風味 でよく知られる品種ですが、(オーストラリアの温暖地方で最もよく育つ)グルナッシュはアルコール度が高く、タンニンの低いワインを造ります。足の先まで 温まるワインです!

 

Merlot | メルロ

メルロはオーストラリアでそれほど頻繁に見かける品種ではありません。

でもどこかでメルロに出会えたら、それは非常に果実風味の強いビロードのような驚くべきやわらかさを備えている魅力的なもののはず。メルロはカベルネ・ソーヴィニヨンとの組み合わせが絶妙です。カベルネの厳格さにしなやかさを与えます。

メルロ・ブレンドの上質のワインは、リヴァリーナ、リバーランド、マレー・ダーリングなど、内陸の温暖地方で多く栽培されています。また、ブレンドされな いメルロもこれらの地方で増えてきており、バロッサ・ヴァレーやマクラーレン・ヴェイルと同様のソフトなドライレッドが出来ています。これらは「プラッ シュ・プラムの風味」と表現されます。

ヤラ・ヴァレーやマーガレット・リヴァーなどの冷涼地方のメルロは、タンニンが強めの香辛の風味が前面に引き出されたワインを造っています。

 

Petit Verdot | プティ・ヴェルド

プ ティ・ヴェルドはカベルネなどにブレンドすることでその魅力が引き出されます。でも、ブレンドしていないものもぜひお試しください。インクのように黒く、 甘いバイオレットの風味があふれています。マルベックも同じような歴史を歩んでいますが、素朴なキイチゴの風味があり、ヴァラエタル品種としても非常に良 いものを造ります。

イタリアの品種では、サンジョヴェーゼとバーベラがオーストラリアにおいて最も成功しています。特にバーベラはこの国に最も合う品種で、濃厚なプラムの風 味が特徴的で、高い気温を好みます。サンジオヴェーゼのサワーチェリーのトーンを完璧に引き出すのは難しいですが、マクラーレン・ヴェイルでは将来性が期 待されるものが出来ています。

 

Pinot Noir | ピノ・ノワール

オーストラリアのように燦々と太陽が降り注ぐ国で、繊細で扱いにくいピノ・ノワールがどうして栽培されているのかと思われる方もいるかもしれません。

いい質問です! 確かにピノ・ノワールは世界中どこでも栽培が難しい品種です。最近見かけられるようになった少量のピノ・ノワールは、すべて誇り高くもオーストラリア産の ものです。冷涼地方の品種として、オーストラリアの中でも最も冷涼な地方、アデレード・ヒルズ、タスマニア、モーニングトン・ペニンシュラ、ジロング、ヤ ラ・ヴァレーならびにグレート・サザンなどで大きな成功を収めています。

これらの産地のピノ・ノワールは、若い内はイチゴやラズベリーの風味が強く、徐々にマッシュルームや香辛料の香りが強まります。最上級のものは樹齢が高めの木で、あまり大量に収穫されていないものから得られます。オーク樽でゆっくりと熟成されたワインです。

 

Rosé Wine | ロゼワイン

ロゼスタイルのワインは熟した黒ブドウを圧搾する間、しばらく果汁を果皮につけたままにし、ピンク色に染めます。爽やかな軽快さを味わうため、このワインは通常若い内に賞味します。

冷やして飲むワインとして、暖かい夏の日にぴったりです。暑くても白ワインはどうも、という赤ワイン愛好家の間で特に人気を集めています。オーストラリア の醸造家はシラーズやグルナッシュなど最も好まれる品種を使って複雑な風味を引き出そうとしているので、オーストラリアのロゼは白ワインとフルボディの赤 ワインの中間という位置付けになります。

 

Shiraz | シラーズ

これほどオーストラリアらしさが表現されたブドウは他にありません。同じようなものを造ろうと努力しているワインメーカーは世界中にたくさんいますが、クワ、スパイス、そしてちょっぴり野性的な風味はオーストラリアならではのものです。

シラーズ(フランス、ローヌ・ヴァレーのシラーと同じ品種)は、1832年にオーストラリアで最初に植えられた品種のひとつです。オーストラリアの土壌に 非常に適していたため、シラーズの木はどんどん繁殖し、地元の人はあまりその価値を意識しなくなってしまいました。1980年代になって、産地ごとに異な る特徴を引き出すシラーズの適応力のすばらしさに気づきなおしたのです。

ペッパーの香りが引き出された上品な冷涼地のもの(ビクトリア州ヒースコート)、濃厚な風味とスパイスが前面に現れたクナワラやマーガレット・リヴァーの スタイル、パワフルでミントが色濃く現れているもの(クレア・ヴァレー)、甘くてチョコの香りのするもの(マクラーレン・ヴェイル)、力強くて熟した果実 の風味が前面に出たもの(バロッサ・ヴァレー)、さらには皮の香りが芳醇なもの(ハンター・ヴァレー)のものまで、様々なスタイルのシラーズが生まれてい ます。

シラーズは伝統的に冷涼・温暖地方のカベルネ・ソーヴィニヨンとブレンドされてきましたが、最近では温暖地方のグルナッシュやムールヴェドルともブレンドされるようになりました。

また最近、オーストラリアにおけるヴィオニエの栽培量が増えたことに伴い、シラーズとヴィオニエのブレンドも多く見かけられるようになりました。一般的 に、シラーズ・ヴィオニエのブレンドは芳香のアロマがあってタンニンは弱めなので、比較的若い内に楽しめるスタイルのワインです。

 

Tempranillo | テンプラニーリョ

テンプラニーリョは、甘いプラムの風味に調和されたコクとドライなタンニンでよく知られています。スペイン由来のこの品種は、オーストラリアの風土にうまく適用しているようです。冷涼地方ではよりスパイシーなもの、温暖地方では甘い果実の風味と強めのタンニンが引き出されます。

 

Zinfandel | ジンファンデル

ジンファンデルは果皮の薄いブドウ で、温暖で乾燥した地方に適しています。西オーストラリア州マーガレット・リヴァーのケープ・メンテル・ワイナリー(Cape Mentelle)はこの品種の親善大使のような役割を果たし、濃厚な風味が特徴的なアルコール度の高いワインを造っており、特殊な地位を確立していま す。しかしオーストラリアの他のワイナリーでは、カリフォルニアワインのように若い内に賞味できる軽快でスパイシーなワインを造っています。

 


 

白ワイン | White Wine | Vino Blanco

Chardonnay | シャルドネ

この古典的なブドウ品種は1920年代末頃にオーストラリアに持ち込まれましたが、1970年代まであまり広範に栽培されていませんでした。

シャルドネが名声を高めたのは1980年代。当時のワイン評論家は「オーク臭が強い」とか「微妙でない」などと酷評しましたが、非常に人気を集めました。 現在、オーストラリアのシャルドネは常に一貫した品質を誇り、その多くは熟したメロンやグレープフルーツ、または完熟ピーチにほのかなバニラやオークの風 味が加わっています。内陸の温暖地方(マレー・ダーリング、リバーランド、リヴァリーナ)のものはトロピカルフルーツの風味が漂い、タスマニア、アデレー ド・ヒルズ、モーニングトン・ペニンシュラなど最も冷涼な地方のシャルドネは微妙な柑橘系(グレープフルーツやライム)の風味が中心となっています。

ヤラ・ヴァレー、マーガレット・リバー、クナワラでは、ブドウの芳醇さと深みを示す上質のシャルドネを造っています。シャルドネは最も適応力のある白ブドウ品種で、最も冷涼な地方から最も温暖な地方まであらゆる産地で非常に質の高いブドウが収穫されています。

 

Chenin Blanc | シュナン・ブラン

シュナン・ブランは西オーストラリア州の栽培者の間で最も人気が高く、特にスワン・ヴァレーやピール地方に良く適した品種です。リンゴのような風味とキ リッとした酸味は有能なワインメーカーの手によって上質なワインへと生まれ変わります。また上手に保存すると数年後に魅力を発揮します。

 

Colombard | コロンバード

シャルドネとのブレンド、時にはソーヴィニヨン・ブランにもブレンドされるこの品種は、酸味のきいたコクのあるワインを造ります。

アデレード・プレインズやマレー・ダーリングが代表的な産地で、一般的に温暖地方に適した品種です。

 

Gewurztraminer | ゲヴェルツ・トラミナー

この品種を栽培すべきかどうか栽培者は悩んでいるようですが、クレア・ヴァレー、グレート・サザン、タスマニアのゲヴェルツ・トラミナーをお試しいただければ、絶対に栽培すべきと思われるでしょう。

スパイシーなライチ、ターキッシュ・デライト(砂糖をまぶしたゼリー菓子)、フローラルな風味が漂い、口に含めると独特な豊かさが広がります。香辛料を多く使ったタイ、中華、インド料理などによく合うワインです。

 

Marsanne | マルサンヌ

南仏のローヌ地方のワインとして大変親しまれている品種ですが、マルサンヌの本質を完璧に引き出したのはオーストラリアです。

特にビクトリア州のゴールバン・ヴァレーやヤラ・ヴァレーですばらしいワインが生まれています。基本的にはシャルドネやセミヨンに似ていますが、蜂蜜、 ピーチ、スパイスの風味がより濃厚で、レモンのような酸味も少々強くなります。この酸味が圧倒されそうな甘美さをうまく抑えるのです。ローヌ地方のものと 同様、あまり見かけないワインですが、見つけたときには必ず買いましょう。価値のある買物となること間違いなしです。

 

Muscat | マスカット

他の国と同じようにオーストラリアでも、マスカットの特徴が最も生かされるのはスイートワインです。

ビクトリア州のラザグレン地方で栽培されているマスカットは、完全に熟してから収穫し、部分発酵した後(通常は)樽の中で熟成します。その結果、神々に進 呈するにふさわしい芳しい濃厚なデザートワインができあがります。必ずかすかな酸味があり、それによってバランスを得ています。

ビクトリア北西部のマスカットは、オーストラリアから世界への「贈り物」と言える絶品です。

 

Pinot Grigio / Pinot Gris | ピノ・グリジオ / ピノ・グリ

オーストラリアのピノ・グリジオ/ピノ・グリは比較的新しい品種ですが、徐々に世界の注目を集め始めています。同類のアルザス・リースリングがオーストラリアで数十年も成功を収めていることを思えば、ピノ・グリジオ/ピノ・グリへの人気も驚くべきことではありません。

この品種のワインスタイルは2種類ありますが、両方とも好評です。新鮮でキリッとした、木樽に貯蔵しないシンプルなスタイルのものは暑い夏の日に最高で す。一方、遅摘みのブドウを利用したスパイシーで芳醇なもの(繊細なバター風味)は、セラーで保存すると一層魅力を増します。

この品種はビクトリア州のモーニングトン・ペニンシュラとグレート・ウェスタン、タスマニアにおいて現在人気上昇中で、すばらしいワインが造られています。

 

Riesling | リースリング

ヨーロッパのリースリングと異なり、オーストラリアのリースリングは一般的にドライなスタイルのものとなっています。そのスタイルは国際基準で見ても非常に上質で、ブドウの風味と酸味のキリッとしたバランスがすばらしく、料理を引き立たせます。

リースリングは若い内にフレッシュさを味わうのも良いですが、瓶熟成も期待できます。南オーストラリア州のクレア・ヴァレーやイーデン・ヴァレーのリースリングをぜひお試しください。リースリングならではの蜂蜜と柑橘系の特徴が大いに引き出されたワインです。

西オーストラリア州のグレート・サザン地方では非常に深みのあるもの、タスマニアではキリッとした芳香を示すもの、バロッサ・ヴァレーではより丸みを帯びたコクのあるリースリングが造られています。

また、最上級のオーストラリア・デザートワインもリースリングから造られています。デザートワインは、少量のボトリティス菌を加えるか、または秋に入って ブドウが完全に乾燥し萎んだ頃に収穫した果実を利用して造ります。どちらの方法でも、濃密な芳香に勢いのある酸味が加わった、卓越したスイートワインが出 来上がります。

 

Sauvignon Blanc | ソーヴィニヨン・ブラン

オーストラリアのソーヴィニヨン・ブランは人気と栽培面積の両方において、現在急速に伸びています。

他国同様、この品種は冷涼地方に最も適しています。

広大なオーストラリアには、この古典的な品種に適した地方がいくつかあります。

ヤラ・ヴァレー、アデレード・ヒルズ、マーガレット・リバー、ニュー・サウス・ウェールズ州のオレンジ、タスマニアなどの産地で、十分に特徴が引き出されたワインが造られています。

最も冷涼な地方のソーヴィニヨン・ブランは、草の香り、スグリが前面に表れ、暖かい年にはパッションフルーツの風味と強めの酸味が引き出されます。

マーガレット・リバーでは、ソーヴィニヨン・ブランとセミヨンをブレンドすることが多く、この絶妙な組み合わせにより、一層コクのある風味が生まれます。

 

Semillon | セミヨン

セミヨンは、オーストラリアの様々な産地の多様性を最も如実に示します。

バロッサ・ヴァレーのセミヨンは最も甘美で、濃い黄色、ピーチやマンゴのアロマが鼻先からグラス全体に広がり、バニラの風味も加わっています(バロッサのセミヨンはシャルドネのように、木樽で熟成されます)。

ハンター・ヴァレーのセミヨンはまったく異なります。無駄のない、透明に近い色合いのこのワインは風味もほとんど感じられません。しかし数年間瓶熟成させ ると、何もなかったところから突如として蜂蜜やナッツの風味が生まれ、深みを帯びた一流のワインとなるのです。西のマーガレット・リバーでは、この2つの 中間に位置する、繊細なバランスを示すワインが造られています。これも瓶熟成に適しています。オーストラリアのどの地方のセミヨンであっても、またシンプ ルな産地間ブレンドであっても、ニュー・サウス・ウェールズ州リヴァリーナ地方の甘いボトリティスワインであっても、必ず豊かなピーチの風味が醸し出され ています。

 

Verdelho | ヴェルデーリョ

スティルワインとしてのヴェルデーリョの成功は、オーストラリアの功績に負うところが大きいです。

当初この品種は、マデイラと同様の濃厚な酒精強化ワインを造るためにオーストラリアに持ち込まれました。オーストラリアのワインメーカーはしかし、これをスティルテーブルワイン(酒精強化しない)として瓶詰めすると格別なものができることに気づきました。

ナッツと香辛の風味が特徴的で、シャルドネやセミヨンの芳醇なスタイルと対照を成すワインとなりますが、ソーヴィニヨン・ブランほど辛口ではありません。

西オーストラリア州、ハンター・ヴァレー、また最近では南オーストラリア州で上質のヴェルデーリョが造られるようになりました。

 

Viognier | ヴィオニエ

ローヌのヴィオニエのすばらしさはよく知られていますが、オーストラリアでは今後の更なる成功が非常に期待されている品種です。

栽培が非常に難しい品種ですが、ビクトリア州のモーニングトン・ペニンシュラ、南オーストラリア州のイーデン・ヴァレーやマクラーレン・ヴェイルの数ヵ所 のブドウ園でその秘訣を見つけたようです。シャルドネと同じように、オーストラリアのヴィオニエはオーク樽で熟成・発酵させることで風味が一層高められま す。